がんの治療法には、薬(抗がん剤)でがんを治そうとする化学療法と、放射線をがんに当てる放射線療法、がんを切り取ってしまう手術療法があります。子どものがんは抗がん剤が効くタイプのものが多いので、化学療法を行うことは大変多いのです。
でも、目指す効果が出るだけではなく、出てほしくない、よけいな副作用も出てきます。副作用は避けられないのですが、化学療法のやり方や抗がん剤の量を時と場合に応じて使い分け、最も効果があって最も副作用の少ない治療をめざします。
放射線治療は、手術療法や化学療法と並ぶ、小児がんの治療の中で重要な治療法です。放射線は、細胞のDNAに作用して細胞分裂を止めることによって、腫瘍を縮小させます。
放射線治療に使われる放射線の種類で一番多く使われるものはX線です。これはリニアックと呼ばれる装置を使って治療が行われますが、胸部X線やCTなどの放射線診断のX線に比べて、高エネルギーのX線を使って身体の深部のがんを治療します。そのため厚い壁でおおわれた部屋で治療を受けます。従って、CTの時のように鉛の入ったプロテクターを着てお子さんのそばに付き添うことはできません。お子さんの様子はテレビモニターで見守ることができます。施設によっては、マイクで治療室内のお子さんに声をかけることもできます。また、治療室を出れば放射線は出ませんので、患者さんから被曝することはありません。
小児がんのうち固形腫瘍では、多くのお子さんで腫瘍の固まりを取り除く手術療法(腫瘍摘出術)が欠かすことのできない大切な治療となります。神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫、胚細胞性腫瘍(悪性奇形種など)、横紋筋肉腫を含む軟部腫瘍、脳腫瘍など種々の疾患に対し、小児外科を中心として、脳外科、整形外科、耳鼻咽喉科、泌尿器科など多方面の外科の医師が関わります。
小児がんに対する治療の基本的な三本柱は、手術、化学療法、放射線治療です。造血幹細胞移植は、これらの通常治療を行った後で、それでも残存しているがん細胞を根絶するために、仕上げの治療として行われることが一般的です。すなわち、通常治療では治せないような場合に造血幹細胞移植が行われます。
おおむね、白血病に対しては人から造血幹細胞をもらう同種移植が、神経芽腫など固形腫瘍に対しては自身の細胞を使う自家移植が行われています。
骨髄移植として始まった造血幹細胞移植は、その後、末梢血幹細胞や、さい帯血を用いる移植が行われるようになり、さらに骨髄非破壊的前処置による移植(ミニ移植)が最近開発されたように、次つぎと新しい取り組みが展開し、進歩しつづけています。ここでは同種移植を中心に造血幹細胞移植について解説いたします。
小児がんの治療をより安全で効果的に行うためには、点滴(輸液)や輸血を適切に行うこと、栄養を十分にとること、さまざまな感染症の予防を行うことが大切です。これらを「支持療法」といいます。医師や看護師は、抗がん剤の治療や手術治療と同じエネルギーを、支持療法に注いでいます。栄養士や薬剤師も、子どもたちの小さな体に考慮した工夫をし、注意を払っています。
抗がん剤治療や手術治療に適した支持療法が、十分に行われることが必要です。
※(財)がんの子供を守る会発行「子どものがん」より抜粋