現在小児がんは、7、8割が治癒を得られる時代になりました。しかし、ここに到るまでの間、特に化学療法によって小児がんが治るということがわかるまでは、痛みをとったり苦しくないようにしたり、良い時間をできるだけ長くする緩和的医療が小児がん治療の本流でした。トータルケアが昔から行われていた理由です。今では多くの小児がんの子どもたちが治癒を目指して初めから厳しい治療を受けます。しかし、最終的に治療に難渋し、再発を繰り返し、治癒の見込みは難しく、結局死を避けられない現実として受け入れざるを得ない状況にたちいたるということがまだまだ起こりうるのです。
“ターミナル(終末期)”というのは、その子の病気を治すすべがなくなり、残された時間をいかにその子らしくすごすかを考える時期のことです。よりよい終末期をすごすためには、治癒の見込みがなくなった、いわゆるプレターミナルの時期からの準備が必要です。積極的に治癒を目指した治療から、辛い症状を緩和させ、精神的サポートを中心にしたケアへとギア・チェンジするということは、それまで以上に医療者とのコミュニケーションを密にしたデリケートな関わりが重要になるということです。
実験的治療法に望みをつないで試みるのか、よりよい時間を増やすための症状緩和を中心のケアに切り替えるかは、専門医とゆっくり十分な時間をかけて相談してみるのが良いでしょう。どのような過ごし方が、お子さんにとって最良かを、できるだけお子さんの希望を聞きながら、家族でしっかり考えて、医療者側と話し合いましょう。
※(財)がんの子供を守る会発行「子どものがん」より抜粋
Ⅷ.終末期における緩和医療―遺された時間の過ごし方
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