胚細胞腫瘍は胎生期の原始生殖細胞が成熟して精子や卵子のような細胞(これを胚細胞といいます)になるまでの過程にある細胞由来の腫瘍の総称です。精巣・卵巣といった性腺由来のものと、仙尾部、後腹膜、前縦隔、頚部、頭蓋内(松果体付近が多い)など性腺外にでるものに分けられます。このうち頭蓋内に発生した胚細胞性腫瘍は脳腫瘍の項で述べます。
胚細胞性腫瘍の中でもっとも頻度が高いのは奇形腫と呼ばれる腫瘍で、構成する細胞の分化の程度により成熟型と未熟型に分けられますが、いずれも良性として扱われます。もともとが精子や卵子のような細胞由来の腫瘍なので、ひとつの腫瘍のなかに神経系成分、脂肪成分、骨や歯の成分、嚢胞成分など色々な組織像が集まって構成されているのが特徴です。その他、胎児性がん、卵黄嚢がん、未分化胚細胞腫などの悪性の胚細胞腫瘍もあります。また良性型の奇形腫が時間が経って悪性化したり、悪性の形で再発することもあります。
よく発症する年齢や頻度は出てくる部位により異なります。精巣原発のものは生後6か月から12か月ころに多く、悪性型の卵黄嚢がんも多く見られます。これに対して卵巣原発のものは乳児期から成人期まで広い年齢でみられ、良性型が多く見られます。
性腺以外の場所で最も頻度が高いのは仙尾部で、新生児の腰に大きな腫瘍が飛び出したような外観で、ほぼすべてが未熟成分を含む良性型です。ただし生後6か月以降に発症するものでは仙骨の前側に発育するものが多く、悪性の頻度が非常に高いとされます。
頻度の低い部位ですが頚部原発の腫瘍も新生児期や出生前に診断されるものがほとんどです。後腹膜原発の腫瘍は全体の10%程度で、乳児期以降の比較的高い年齢によく発症します。悪性の頻度は1割未満とされます。前縦隔のものは胸腺原発のものが多く、学童期以降の高い年齢によく発症します。
下記の内容を当会発行の病気別リーフレット「肝がん・腎がん・胚細胞腫」に掲載しています。
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肝がん・腎がん・胚細胞腫(こちらをクリックするとPDFファイルでご覧いただけます)
<内容>
1.病気のあらまし(症状、頻度、発症年齢、起源、分類)
2.診断方法/病期
3.治療(手術、化学療法)
(1)手術
(2)化学療法
4.予後
5.合併症(外科的、内科的)
(1)外科的
(2)内科的
6.晩期障害