がんの子どもを守る会について

理事長あいさつ

新年度の初めにあたって

公益財団法人がんの子どもを守る会

理事長 山下公輔

 

2017年度の初めに当たり、一言ご挨拶申し上げます。

公益財団法人がんの子どもを守る会は、“小児がんを治る病気にしたい”、“小児がんのために、自分たちと同じ苦しみを繰り返す家族のいない世の中をつくりたい”という、小児がんで子を亡くした親たちの願いの下、1968年(昭和43年)に設立されました。爾来、小児がんの患児・家族への様々な支援を中心に、設立時の願いの実現のために幅広く事業を展開し現在に至っており、来年には設立50年の節目を迎えます。

2012年の公益財団法人への改組に当たり、経済的に安定的とは言い難かった当時の運営状況の改善を図るべく、運営方針・体制の改編・強化の努力を続けて参りましたが、その成果がようやく実るとともに、篤志の方々からの大きなご寄付という支えもあり、一昨年度に引き続き昨年度も、年度単位の事業収支の正常化をほぼ達成できる見通しがついております。これも、事務局職員や各支部で会の活動を支え下さる皆様の努力、そして外部の多くの方々ご支援の賜物と心より感謝しております。このように会の使命実現の支えである経済的安定性が確保されつつあるなかで、会の歴史にとって大きな節目である設立50年の年を迎えられることを誠に喜ばしく思っております。

冒頭に書きました当会の使命のうちのうち“小児がんを治る病気にしたい”という点についていえば、設立当時はまさに不治の病であった小児がんも、この50年の間の医学の進歩の恩恵により、今や“治る病気”と言えるようになりつつあります。勿論、未だ100%治るとは言い難いのは事実ですが、級数的速さで進歩する現代医学の状況を見ると、いつかは本当に“小児がんで亡くなる子どものいない世の中”が実現されるのではないかと期待しております。その一方で、ご承知のように小児がんの発症を予防・予知する方法は未だ無く、“治る”ためには侵襲性の強い治療を経なければならず、“小児がんにより苦しむ家族のいない世の中”の実現は当面難しく、当会の活動も内容に変化こそあるものの、今後も長きに亘って持続的に推進していかなければならないと考えております。

このような認識のもと、2017年度は来年の50年記念の諸事業に向けた準備の年であるとともに、当会の将来のあり方や事業の方向性等を再点検し、次の50年を視野に入れた準備の年と位置づけ、2017年度の事業計画を策定致しました。具体的な事業施策としては、本年度もこれまで長年に亘って続けてまいりました、「小児がん家族に対する相談事業」、「小児がん家族への療養費援助事業」、「小児がんに関する治療研究助成事業」、「小児がんに関する社会の理解の向上を目指した啓発活動」そして「難病の子どもを持つ家族のための総合支援施設運営事業」などを核とした事業を展開して参ります。その中で、小児がんが “治る病気”になってきたという喜ばしい環境変化に伴い増えていく、小児がん経験者の支援、特に長期フォローアップに関する諸課題、教育・就労等の問題等の分野について、大変重要な問題でありながら必要な体制整備や具体策の実施が遅れており、長期的な視野に立ち新たな事業を含めこの分野の活動に力を入れて参りたいと考えております。

これらの諸事業を含む今年度の事業の計画の詳細については、事業計画書をご参照頂きたいと思いますが、新年度の始まりに当たっての特筆すべき変化として「難病の子どもを持つ家族のための総合支援施設運営事業」について少し触れさせていただきます。既にホームページ等でご案内しておりますように、本事業の中心であるアフラックペアレンツハウスの運営体制が新年度から大きく変わります。ご承知のように、当該事業の中心的な施設であるアフラックペアレンツハウスは、2001年に第一号となる亀戸のハウスがアフラック様のご寄付により開設され、その後同様な施設を浅草橋と大阪に開設し、アフラック様の継続的なご支援の下で運営を続けてきております。これらの三施設は事業の呼称が「総合支援施設事業」となっていることからもお分かりのように、宿泊機能が大きな部分を占めはしますが、小児がんの患児・家族を支援するための相談機能や情報発信機能を持った、総合的な支援施設として運営して参りましたが、その中で東京の二施設の「宿泊部門」については、開設当初の経緯から宿泊施設運営経験の豊富な外部の団体に日常の運営を委託して参りましたが、このたび受託者側申し入れにより委託契約を解除し、本年4月1日より大阪のペアレンツハウス同様に、当会が宿泊部門も含め全面的に直営で運営することになりました。急な申し入れを受けての運営体制の変更で、この一年担当の職員諸君には多くの負担がかかりましたが、お陰様で宿泊部門責任者の新規採用も順調に決まり、既に今月1日より新体制での運営が始まっております。今後は、小児がんや難病の子どもや家族のための「総合」的な支援施設として、より充実した運営が可能になります。更にこれを期に、施設内部の改修を行い、東京の二棟のうちの亀戸の機能を、経験者への支援機能の強化と、小児がんや難病関連の団体を含むより幅広い利用者が活用可能な施設に改良・拡充致します。そのため、工事により利用者の方々にご不便をおかけする時期も出ますが、本年度末には将来に亘ってより充実した活用が出来る施設・体制が整う予定となっております。

これらを含んだ、今年度の事業計画の詳細は別途公表資料として開示しております。私を含め理事及び事務局職員一同、小児がん患児・家族への幅広い支援事業を持続的に推進するという当会の使命遂行に向け、誠心誠意努力をする所存でおります。皆様におかれましては、この機会にぜひ事業計画或いは6月に発行予定の事業報告書をご一読いただくとともに、当会の活動について一層のご理解とご支援を賜りますよう誠心からお願い申し上げます。

2017年4月